解説

経済の減速と人事の混乱で、習近平政権3期目は早くも正念場

取り巻く環境が不透明さを増し、政権運営が不安定化へ

東京財団政策研究所 主席研究員 /柯 隆

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習近平政権の政策運営は予想以上に難航している。経済は急減速し、執行部の腐敗も深刻化している。このままいくと、政権運営の不安定化が現実味を帯びてくる。習政権にとって政権の安定を維持するには、経済の高成長が必要不可欠だが、景気減速に歯止めはかかっていない。それにもかかわらず、有効な経済政策も打たれていない。習政権にとって2024年は、さらにかじ取りが難しい1年になる可能性がある。

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か りゅう
63年中国南京市生まれ。88年留学のため来日。94年名古屋大学大学院経済学修士(経済学)。同年長銀総合研究所国際調査部研究員。98年富士通総研経済研究所主任研究員。06年同主席研究員。18年から現職。静岡県立大学グローバル地域センター特任教授、多摩大学大学院客員教授を兼職。著書に『中国の不良債権問題』(日本経済新聞出版社、07年)、『中国「強国復権」の条件』(慶應義塾大学出版会、18年、第13回樫山純三賞受賞)『「ネオ・チャイナリスク」研究』(慶應義塾大学出版会、21年)ほか。