解説

脱炭素化の実現へ急務のISSB基準に基づく気候変動開示

スコープ3を含むGHG排出量データや目標の開示の義務化が不可欠

慶應義塾大学 総合政策学部 教授 /白井 さゆり

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ネットゼロの達成に向け、企業による移行計画を支える金融市場の発展に欠かせないのが企業の情報開示の充実だ。各国当局においては、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が今年6月に公表した気候変動関連開示の国際基準に基づく開示の義務付けが急務となっている。ISSB基準は指標と目標について詳細な開示を要請しており、特にスコープ3を含むGHG排出量データや目標の開示が進むことが期待される。

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しらい さゆり
11~16年日本銀行政策委員会審議委員。20~21年英国系ESGエンゲージメント専門会社の上級顧問。現在はアジア開発銀行研究所のサステナブル政策の顧問と複数企業のアドバイザーを兼任。コロンビア大学経済学博士。近著に『カーボンニュートラルをめぐる世界の潮流』『SDGsファイナンス』。