特集地銀が目指す「PBR1倍」への道

東証の「PBR改善要請」は市場評価上昇に向けた好機

企業価値向上へ、前向きな活用が期待される「RORA」

トリグラフ・リサーチ 代表 /大久保 清和

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今年3月末に東京証券取引所が公表した「PBR1倍割れ改善要請」に対する地域銀行業界の対応は、筆者が予想していた以上に迅速かつ積極的であった。銀行セクターにおいては、ROEとPBRの相関が極めて強いことから、ROE向上への取り組みがPBR1倍達成に向けた「王道」といえる。企業価値を高めるためには、株主資本コストを上回るリターン(ROE)を達成することが欠かせない。まずは、銀行セクターの平均的株主資本コストと筆者が想定する「6~7%程度」のROE達成に向けて攻めの経営を行うべきだ。

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おおくぼ きよかず
中央大学卒、一橋大学大学院修士課程修了(金融戦略MBA)。野村証券、バークレイズ、JPモルガン、日本銀行などで34年間にわたって銀行業界の調査・助言業務に従事。13年にトリグラフ・リサーチ開業。16年からSBIインベストメント金融企画戦略担当執行役員兼務。