特集激震走る! 金融規制・監督

規制の緩みで金融危機再来の火種がくすぶるノンバンクセクター

繰り返すノンバンク発ショックで問われる当局の監督姿勢

BNPパリバ証券 チーフクレジットストラテジスト /中空 麻奈

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欧米の金融危機は当局による火消しが進んでいる。しかし、急激な金利上昇や新しい市場への資金の目詰まり、債券・債権価格等の洗い替えリスクが残っており、実際に新たなリスク発生の可能性はくすぶったままだ。仮に金融システム当局の監視を強めたとしても、金融市場の半分近くを占めるノンバンク(NBFI=NonBank Financial Institution)に対する規制が緩ければ、収益性を求めて流動性はノンバンクに残る。一方、ノンバンクへの規制を過度に強めれば、流動性そのものが行き場を失い、それが国の成長力を阻害する要因ともなりかねない。

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なかぞら まな
91年慶應義塾大学経済学部卒、野村総合研究所入所。08年BNPパリバ証券にクレジット調査部長として入社し、18年7月からチーフESGアナリストを兼務。財政制度等審議会財政制度分科会起草委員、税制調査会委員、経済財政諮問会議民間議員、日本EU学会会員。