解説

中小企業の賃金上昇に不可欠な「価格転嫁」の定着

過去10年間の付加価値率低下から脱却し、経済の好循環実現へ

元 三井住友信託銀行 調査部 シニアエコノミスト(現 三井住友トラスト・ホールディングス リスク統括部 調査役) /竹川 隼人

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消費者物価が40年ぶりの上昇率を記録するなか、賃上げ機運が高まっている。2023年春闘の平均賃上げ率は、大企業だけでなく中小企業においても13年以降で最も高い結果となった。中小企業では過去10年間、十分な価格転嫁が行えなかったことから付加価値率が低下し、賃金上昇率は大企業に比べて低位となってきた。今後、持続的な賃上げを実現するためには、サプライチェーン全体での価格転嫁を定着させる必要がある。

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たけがわ はやと
10年慶應義塾大学経済学部卒、中央三井信託銀行(現三井住友信託銀行)入社。本部業務等を経て内閣府へ出向(月例経済報告および経済財政白書作成に従事)。帰任後は調査部にて日本経済全般や、欧米銀のクレジット含む国内外金融市場などの分析に従事。23年4月から現職にて海外リスクガバナンス態勢の高度化や、リスク委員会(本店および米国)の事務局運営等に従事。