2050年のカーボンニュートラルに向けて、各国で温室効果ガス(GHG)排出削減の取り組みが加速している。海外では、政府などが定める削減目標を達成できなかった企業は排出枠などのカーボンクレジット取引によって未達分を補完することが一般的であり、カーボンクレジット市場が相次いで開設されている。日本でも東京証券取引所が9月にカーボンクレジット市場での試行取引を開始した。日本が脱炭素へと向かう大きな一歩となるが、企業に対する削減目標の義務や罰則などの仕組みがないなか、自主的な取り組みの下で排出削減の歯車を回すことができるのかが問われている。