特集インバウンド再開の経済力

経常収支と円安の是正効果が期待されるも早期回復は困難

多様性ある観光像の追求がインバウンド成功のカギ

第一生命経済研究所 経済調査部 首席エコノミスト /熊野 英生

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

足元で進む急速な円安は輸入金額を膨らませ、経常収支が赤字化することでさらなる円安を促している。こうしたなか、政府は10月11日に入国制限の上限を撤廃し、28日に取りまとめられた総合経済対策で「観光立国の復活」を掲げた。政府は2019年のインバウンド消費4.8兆円を念頭に「5兆円超の速やかな達成」を目指し、観光によって経常収支、ひいては円安を立て直す算段だ。本稿では、日本の財政が置かれている現状を分析しつつ、インバウンド消費が円安是正、財政回復のための特効薬となるのかを考察したい。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

くまの ひでお
90年横浜国立大学経済学部卒、日本銀行入行。00年第一生命経済研究所入社。11年から現職。専門は金融政策、財政政策、為替・長短金利、経済統計。