これまで労働者が受け取る給与は実質的に銀行口座に振り込まれてきたが、来年4月1日から、使用者企業が資金移動業者のキャッシュレス決済サービス口座(アカウント)にも振り込める仕組みが導入される。スマートフォンの決済アプリなどで給与を受け取ることができるようになることから「デジタル給与」と呼ばれており、キャッシュレス決済のさらなる拡大に弾みがつくと期待されている。資金移動業者にとって、生活資金の「入り口」たる給与を押さえることができるデジタル給与の解禁は、利用者との接点を強化できる絶好のビジネスチャンス。すでに会員数でクレジットカードをしのぐ決済アプリが給与の受け皿となる衝撃は、計り知れない面もある。
掲載号 /週刊金融財政事情 2022年11月8日号