少子高齢化などを背景に、全国各地で増加の一途をたどる「空き家」。老朽化による倒壊や景観の悪化、放火などのリスクをはらむため、近隣住民の生命や財産に危険を及ぼしかねない社会課題となっている。2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、空き家の増加抑制に一定の効果を発揮しているが、増加ペースが再び加速する気配もある。そうしたなか、空き家問題の解消に向けた関連法として、「改正民法」「改正不動産登記法」「土地国庫帰属法」が21年4月に成立し、順次施行される。地域経済の中核的存在である金融機関も独自の支援策を講じている。深刻化する空き家問題と、その解消に向けた手立てに迫る。
掲載号 /週刊金融財政事情 2022年6月7日号