6月11日から13日にかけて、英コーンウォールで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)。各国首脳は、それぞれの国が掲げる「温室効果ガス排出量──2050年までに実質ゼロ」とする目標を確認し、その実現に向けて結束していくことを表明した。ただし、その実現を手繰り寄せるのは極めて難しい作業だ。歴史的な技術開発を成し遂げなければならず、なにより莫大な投資資金が必要になる。一方で、いち早く技術開発にこぎ着ければ大きなビジネスチャンスになることから、「実質ゼロ」の実現に必要な資金を自国に呼び込む「脱炭素マネー」争奪戦が始まっている。
掲載号 /週刊金融財政事情 2021年7月27日号