解説

大手損保グループの2021年3月期決算分析

国内自然災害の影響は減少も、なお火災保険の収益性改善に課題

福岡大学 商学部 教授/保険アナリスト /植村 信保

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3大損保グループ(東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、SOMPOホールディングス)の2021年3月期決算では、コロナ禍に伴う補償により海外事業の収益はマイナス、逆に国内事業は経済・社会活動の自粛に伴う自動車保険の保険料支払いの減少などがプラスに働いた。前年度に比べれば、国内自然災害の影響は小さかったが、火災保険の収益性改善はなお課題である。金融環境の好転で経済価値ベースの純資産が大きく拡大したとはいえ、依然として金融市場に大きく左右されることを再認識した決算ともなった。

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うえむら のぶやす
大手損害保険会社、格付投資情報センター(アナリスト)、金融庁(任期付職員)を経て、12年からキャピタスコンサルティングで勤務。20年から現職。専門分野は保険会社の経営分析・リスク管理、健全性規制。主な著書に『経営なき破綻 平成生保危機の真実』『経済価値ベースの保険ERMの本質』(共著)など。