特集消えるLIBOR、最後の闘い

TONAの幅広い使用による市場の安定を

TORF使用には厳格な利益相反管理が求められる

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 市場エンジニアリング部 部長代理 /糸﨑 真一郎

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

東京ターム物リスクフリーレート(TORF)は円LIBORの代替金利指標の一つだが、その算出の裏付けとなる短期円OIS市場の流動性は低い。TORFの過度な使用は、LIBOR問題の本質だった、わずかな取引に基づく指標が膨大な取引で参照されることによる、金融市場の脆弱性と不正操作の機会をもたらしかねない。TORFの使用に係る潜在的な利益相反は適切に管理されるべきだ。そして、金融市場の安定を確保するためには、TONAが幅広く使用されるべきだ。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

いとざき しんいちろう
12年三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社、現職。資産価格評価、XVA、ISDA SIMM等のモデル開発に従事。日本証券業協会の金利指標問題に関する意見交換会主査。12年東京大学博士(数理科学)。