解説

なぜドイツ証券取引所は議決権行使助言会社を買ったのか

安定収益の助言業に加え、ESGマネー獲得の狙いも

大和総研 政策調査部 主任研究員 /鈴木 裕

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2020年11月、ドイツ証券取引所グループが議決権行使助言業最大手のISSを買収すると公表した。ISSは、議決権行使助言業以外に、ESG投資に関する情報を投資家と企業の双方に向けて提供するビジネスを営んでいる。EUでは、ESGのうち、とりわけ環境問題を考慮した株式投資ベンチマークやグリーンボンドに関する評価基準の策定が求められており、証券取引所においても対応が必要になる。今後もESG情報業者の価値は増していき、ESGビジネスはますます激化するだろう。

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すずき ゆたか
一橋大学法学部卒業、大和証券入社、大和総研転籍、米国ロチェスター大学MBA。年金基金、アクティビストファンドなどの株主行動を調査研究。機関投資家と事業会社との間のコミュニケーションを支援。