解説

主要中銀の大規模緩和策でも市場の不安は鎮火できず

日欧中銀によるマイナス金利深掘りは企業の資金繰りに逆効果

東短リサーチ 社長/チーフエコノミスト /加藤 出

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世界各国の大規模な経済活動制限が長引けば企業の連鎖破綻と金融市場の混乱が増幅し、負のスパイラルに陥る危険性がある。世界の主要中銀は手持ちの緩和カードをほぼすべて使って信用緩和策を実施しているが、追加的な総需要刺激効果が限られる上、火元であるパンデミックを消せないと完全な鎮火には向かわない。日欧中銀がマイナス金利深掘りをすれば金融機関の体力を奪い、非常に危険だ。まずは、財政政策による企業の資金繰り対策や失業者に対する所得補償政策などが極めて大切になる。

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かとう いずる
88年4月東京短資入社。コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを兼務後、13年2月から現職。マネーマーケットの現場の視点から日銀、FRB、ECB、BOE、中国人民銀行などの金融政策を分析。07~08年度東京理科大学経営学部、09年度中央大学商学部、20年度成蹊大学経済学部で非常勤講師。著書・連載コラム多数。