郵政民営化法で早期の株式売却を果たすことが求められている日本郵政グループ。しかし、かんぽ生命保険の一連の不適切販売によって、その道が遠のいた。まずは組織のガバナンスを立て直し、あらためて株式売却を進めることとなる。ただし、公共性を帯びる郵政事業にはユニバーサルサービスの提供義務が課せられており、ゆうちょ銀行とかんぽ生命も事実上、ユニバーサルサービスの義務を負っている。日本郵政社長に就任した増田寛也社長の下、再出発を果たすが、全国2万4,000拠点の郵便局網の維持を前提とする硬直的なユニバーサルサービスが大きな課題として浮かび上がっている。
掲載号 /週刊金融財政事情 2020年3月2日号