解説

習近平思想の浸透に向け、金融改革の新局面を抑えた中国経済

経済の正常化には金融システムの整備が不可欠

富士通総研 主席研究員 /柯 隆

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

成長するのが当り前であった中国経済が迷走している。今年10月には、「習近平思想」が党則に盛り込まれたことで注目を集めた中国共産党大会で、習近平国家主席は質を重視する姿勢を打ち出したが、経済の実態をみると、金融仲介機能が十分に役割を果たさず、過剰投資が過剰設備を呼んでいる。政府は国有銀行融資への関与を続けているものの、融資が焦げ付けばたちまち「不良債権」と化す。これにより、すぐに金融危機がもたらされる可能性は高くないが、このままでは景気低迷が長期化することは避けられない。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

か りゅう
63年中国南京市生まれ、88年留学のために来日。92年3月愛知大学法経学部卒、同年4月名古屋大学大学院経済学研究科、94年3月名古屋大学大学院経済学研究科修士、同年長銀総合研究所国際調査部研究員、98年10月富士通総研主任研究員、06年から現職。著書は『中国の不良債権問題』(07年、日本経済新聞出版社)ほか多数。