特集金融政策”異次元”の帰趨

ポスト黒田が取り組むべき四つの課題

物価目標を柔軟化し、出口戦略の全体像を語り始めるべき

日本経済研究センター 理事長 /岩田 一政

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日銀が目指す2%の物価目標はいまだ実現をみないが、いまの政策を今後5年間続けても達成はむずかしいだろう。むしろ現政策を継続すれば、資産バブルを誘発する一方で、金融機関の経営も相当厳しくなる。黒田東彦日銀総裁は2018年4月で任期が満了するが、ポスト黒田には取り組むべき課題が四つある。まず、「2%の物価目標」を柔軟化したうえで、さらに「出口戦略の全体像」を示すと同時に、出口の過程で日銀が赤字になった際の「政府負担の有無」を政府と日銀との間で取り決めるべきだ。また、地銀の経営が厳しさを増していることから、物価上昇率が1%を達成した段階で「イールドカーブ・コントロールを微調整」すべきだと考える。

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いわた かずまさ
70年東京大学教養学部卒、経済企画庁入庁。OECD出向等を経て、86年東京大学教養学部助教授、91年同教授。01年内閣府政策統括官、03年日本銀行副総裁等を経て10年10月より現職。16年11月瑞宝重光賞受賞。