解説

GAFAを狙い撃ちにした英国のデジタルサービス税導入構想

デジタル経済の発展を阻害しかねない個別対応を解消し、国際合意に期待

中央大学法科大学院 特任教授/東京財団政策研究所 研究主幹 /森信 茂樹

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英国が2020年からデジタル取引に課税することを公表した。GAFAの税負担が低いなか、自国経済との競争条件の公平さの追求や税収の確保が狙いである。デジタル取引への課税はOECD諸国で議論中であり、欧州委員会も独自案を公表している。加えてフランスやイタリアなども独自の課税体系を導入している。このまま放置すると、IT企業にとり二重課税などのリスクを生じさせ、デジタル経済の発展に悪影響を及ぼすことになる。19年に開催されるG20の議長国となるわが国は、20年までに米国を含めたOECD諸国の合意を取り付ける役割を担うことが期待されている。

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もりのぶ しげき
50年広島生まれ。法学博士(租税法)。73年京都大学法学部卒、大蔵省入省。98年主税局総務課長、99年大阪大学法学研究科教授、03年東京税関長、04年プリンストン大学で教鞭を執り、05年財務総合政策研究所長、06年に財務省を退官し、現職。10~12年政府税制調査会専門家委員会特別委員。