特集新三極 米中欧経済の波及リスク

歯車狂う一帯一路構想、長引く米中対立は中国経済に大ダメージ

一段の景気対策は中国経済のリスクを高めるだけ

東京財団政策研究所 主席研究員 /柯 隆

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習近平政権は強国復権を目指し、強気のグローバル戦略を展開している。その核心は、一帯一路構想の推進による中国的ヘゲモニー(覇権)の実現である。一帯一路構想は、目下減速する中国経済を再浮上させるための手段にとどまらず、グローバル社会で主導的地位を確立するための手段でもある。そのように考えれば、米国が自らの覇権的地位を脅かされると見なし、中国への制裁に乗り出しているのも当然の帰結といえる。それが、米中貿易戦争勃発の背景である。米中間の対立は長期化する可能性が高く、板挟みとなる日本が今後、どのようにかじ取りをしていくのかにも注目が集まる。

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か りゅう
63年中華人民共和国・江蘇省南京市生まれ。88年来日、愛知大学法経学部入学。92年同大卒業。94年名古屋大学大学院修士課程修了(経済学修士号取得)。98年まで長銀総合研究所国際調査部研究員。以後、富士通総研経済研究所主任研究員、同主席研究員を経て、18年から現職。静岡県立大学グローバル地域センター特任教授や富士通総研経済研究所客員研究員を兼務。