解説

中小企業の後継者不足問題と事業承継の効果

パフォーマンスは向上する一方、資産の効率性向上が課題

日本大学 経済学部 教授 /鶴田 大輔

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本稿では、中小企業信用情報リスクデータベース(CRD)を使った筆者の一連の研究(注1)をもとに、後継者不足、事業承継問題が中小企業に与える影響を明らかにする。後継者不足はショック時において中小企業のデフォルト確率を上昇させるため、債権者にとって重要なリスク要因となる。一方、事業承継は企業の収益性や成長性を向上させるものの、生み出されたキャッシュが事業承継企業内に蓄積されており、非効率的な資産運用を行っている可能性がある。

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つるた だいすけ
99年青山学院大学経済学部卒業、04年東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。17年東京大学で博士(経済学)を取得。03年政策研究大学院大学助手、助教授を経て、10年日本大学経済学部准教授、15年から現職。専門は金融論、中小企業論。