特集世界を覆う経済リスク総点検

間近に迫るEUの新体制発足、前途多難な船出は必至

課題山積のなか、2トップは内憂外患にどう立ち向かうのか

大和総研 経済調査部 主席研究員 /山崎 加津子

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11月1日に、EU・ユーロ圏の二つのトップポストに女性が初めて就任する。ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長と、クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁だ。しかし、その前途は多難だ。米中貿易摩擦、英国のEU離脱(ブレクジット)問題など景気減速要因が山積する一方で、ECBの金融緩和余地は限定的であり、各国の財政政策は柔軟性に欠けている。EUの第一の任務は欧州統合の推進であり、ECBの第一の任務が物価の安定である以上、その遂行にあたり、単に従来路線を踏襲するだけにとどまらず、今までの枠を越えた新しい発想が求められる。

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やまざき かづこ
93年大和総研入社。担当は欧州経済。98年から00年にフランクフルト支所駐在。主な共著に『この1冊でわかる世界経済の新常識2019』など。