大和総研 経済調査部 主席研究員 /山崎 加津子
大和総研 経済調査部 主席研究員 /山崎 加津子
投稿日2019.10.07. /週刊金融財政事情 2019年10月7日号
11月1日に、EU・ユーロ圏の二つのトップポストに女性が初めて就任する。ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長と、クリスティーヌ・ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁だ。しかし、その前途は多難だ。米中貿易摩擦、英国のEU離脱(ブレクジット)問題など景気減速要因が山積する一方で、ECBの金融緩和余地は限定的であり、各国の財政政策は柔軟性に欠けている。EUの第一の任務は欧州統合の推進であり、ECBの第一の任務が物価の安定である以上、その遂行にあたり、単に従来路線を踏襲するだけにとどまらず、今までの枠を越えた新しい発想が求められる。
やまざき かづこ
93年大和総研入社。担当は欧州経済。98年から00年にフランクフルト支所駐在。主な共著に『この1冊でわかる世界経済の新常識2019』など。
掲載号 /週刊金融財政事情 2019年10月7日号