新卒一括採用や数年ごとの全国転勤は、金融機関の働き方の典型例だった。しかし足元では、共働き世帯の拡大や現役世代の介護負担の増加、若者の転勤忌避感の強まりなどを背景に、金融機関の人事制度が変革を迫られている。これまで「JTC」(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)とやゆされてきた金融機関の働き方やキャリアパスも多様性を帯びつつある。事業領域の拡大やデジタル化の進展により、専門人材に対するニーズも増すなか、金融機関はいかに対応しようとしているのか。金融機関の人事制度改革の背景や狙い、今後のあるべき姿を追った。
掲載号 /週刊金融財政事情 2025年3月11日号