解説

資産運用部門のAI活用で、イベント検知や投資推奨に領域拡大

「AIが人間の判断を支援する」設計を内製化して一定の成果

東京海上ホールディングス 財務企画部 マネージャー /冨島 佑允

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資産運用におけるAI(人工知能)の活用が、資料要約や検索支援といった周辺業務から、リスク監視や投資判断支援といった中核業務へと広がりつつある。ただし、機関投資家に問われるのは予測精度だけではない。「なぜその示唆が出たのか」といった問いに対する説明責任を果たせるかどうかも重要になる。本稿では、東京海上ホールディングス(HD)の資産運用部門における具体的な取り組みとして、信用関連イベント検知や生成AIによる情報収集・整理、ニュース解析に基づく売却タイミング推奨を紹介する。いずれも、「AIに任せる」のではなく、「AIが人間の判断を支援する」設計を貫いている。実例をもとに、AIを運用現場で真に機能させる条件を論じたい。

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とみしま ゆうすけ
京都大学理学部卒、東京大学大学院理学系研究科修了(素粒子物理学専攻)。在学中、欧州原子核研究機構(CERN)にてLHC実験「ATLAS」(世界最大級の素粒子実験)に参加。修了後、メガバンクでクオンツとしてデリバティブや国債・株式等の運用に従事。ニューヨークのヘッジファンドを経て、21年東京海上HD入社。一橋大学大学院MBA(ファイナンス)、CFA協会認定証券アナリスト。26年4月から多摩大学大学院教授(専攻はファイナンス、ガバナンス)。著書に『金融数学入門』(講談社)など。