解説

インフレ懸念にとどまらない「トランプ再選」リスク

国際秩序を破壊し、世界的な金融危機につながる恐れも

東洋大学 元教授 /益田 安良

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米大統領選で再選したドナルド・トランプ前大統領は、中国に60%の関税を課すだけでなく、日本や欧州に対しても10~20%の関税を課すと公言している。実現すれば世界の貿易は急激に縮小し、減税などの財政拡張策、移民制限と相まってインフレを加速する。その結果、長期金利が上昇し、米国はスタグフレーションに陥りかねない。さらに深刻なのが、国際秩序破壊のリスクである。パリ協定の離脱で地球環境の悪化に拍車がかかる恐れがあるほか、金融規制の緩和で米国発の世界的な金融危機の可能性が高まる懸念もある。

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ますだ やすよし
58年生まれ。京都大学経済学部卒。博士(経済学)。富士銀行、富士総合研究所を経て、02~23年東洋大学経済学部、情報連携学部、大学院経済学研究科教授。16~18年国立国会図書館専門調査員。23年から東洋大学客員研究員兼非常勤講師。