特集CBDCが描く決済の未来

民間マネーとの共存を目指す中央銀行デジタル通貨

家計や企業の利便性を高める制度設計が普及への一歩

明治大学 政治経済学部 教授 /小早川 周司

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中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、個人や企業を含む幅広い経済主体が日常生活での支払いに利用することを想定したデジタル通貨である。今後、CBDCの設計に向けた基本的な考え方や方向性を決めるに当たり、導入する目的や意義を明確にしておかなければならない。しかし、海外に目を転じると、CBDCを正式に導入した新興国では利用の広がりが見られていないほか、主要国ではそもそもCBDCがなぜ必要なのかという疑問がくすぶる。こうした海外の論調も念頭に置きながら、本稿では、有識者会議報告書で示された主な論点や、同会議での議論も踏まえつつ、CBDC導入の目的や意義をあらためて考えてみたい。

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こばやかわ しゅうじ
一橋大学経済学部卒、英オックスフォード大学大学院経済学博士課程修了(D.Phil.)。日本銀行企画局参事役、決済機構局参事役等を経て、19年から現職。