解説

脱「非伝統的金融政策」を目指す植田日銀の出口戦略

金利高騰回避とマネタリーベース正常化の両立が隘路に

三菱UFJリサーチ&コンサルティング 調査・開発本部 調査部 研究主幹 /鈴木 明彦

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植田和男総裁が率いる日本銀行の出口戦略は、単に「異次元金融緩和」からの脱却だけではない。「非伝統的金融政策」そのものからの脱却を目指している。今年7月以降、イールドカーブ・コントロール(YCC)の運用柔軟化を進めるなど、すでに異次元金融緩和の出口に近づきつつある。ここからさらに非伝統的金融政策の出口を抜けるには、金利の高騰を回避しながら、マネタリーベースを正常化させていく困難さに忍耐強く向き合うことが求められる。

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すずき あきひこ
81年早稲田大学政治経済学部卒。87年ハーバード大学ケネディ行政大学院卒。09年内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)。18年から現職。17年度から青山学院大学非常勤講師。著書に『デフレとの20年戦争』(金融財政事情研究会)。