特集世界の金融政策総点検

軟着陸へ自信を示すFRB、手中の「利上げ停止」カードの行方

政策転換が意識される中でたどる景気後退「ある」「なし」シナリオ

野村フィデューシャリー・リサーチ&コンサルティング CIOマネジメント部 チーフ・ストラテジスト /北岡 智哉

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2023年6月以降の米国では、景気の軟着陸および24年以降の利下げへの期待が高まり、景気楽観論とインフレ楽観論が共存する場面が散見されるようになった。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、8月のジャクソンホール会議の講演で「金融政策はデータ次第」と述べ、政策の自由度を確保する内容に終始したが、今後もデータやFRBの情報発信によって市場が振れやすくなるとも考えられる。本稿では、市場の景気後退の織り込み度に注目しながら、米国景気後退がある場合とない場合のリスクシナリオを点検したい。

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きたおか ともちか
00年東京大学教養学部卒、野村証券入社。金融経済研究所にてストラテジスト。内外の証券会社でストラテジスト、エコノミスト、経済産業省調査専門職などを経て21年12月から現職。