スマートフォンの普及やデジタル化の進展などを背景に、顧客と銀行の接点はリアルからデジタルへと移行しつつある。コロナ禍をきっかけに非対面取引が加速度的に浸透し、自宅にいながらスマホで金融取引が完結する社会へと変化した今、従来型の銀行店舗の必要性は薄れつつある。こうしたなか銀行業界では、店舗を「事務サービスの場」から「相談の場」へと再定義し、対面ならではの付加価値の提供を目指している。一方、店頭の事務手続きはデジタル技術を活用して効率化を進め、顧客の利便性向上と事務の削減が図られている。従来の銀行像を打破し、デジタル化社会に対応した店舗運営に各行が取り組んでいる。
掲載号 /週刊金融財政事情 2023年3月14日号