特集景気後退への備え

米国経済が減速すれば日本はゼロ%成長に逆戻りも

株価下落による米国の逆資産効果にも注意

SMBC日興証券 金融財政アナリスト /末澤 豪謙

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2018年10月以降、景気の「先行指標」とされる株価が国内外で大きく下落したことは、19年への警戒感が金融市場で共有されている可能性があることを意味する。実際、「一強」ともいわれる米国経済を減速に向かわせる三つの芽(減税効果の息切れ、長期化する米中貿易摩擦、米長期金利の上昇や保護主義による逆資産効果)が足もとに存在する。米国経済が減速すれば新興国の景気後退を招き、日本をはじめ先進国にも飛び火する。その際、日本はふたたびゼロ%近傍の成長に逆戻りする可能性がある。

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すえざわ ひでのり
84年大阪大学法学部卒、三井銀行(現三井住友銀行)入行。00年さくら証券投資戦略室長、06年大和証券SMBC債券調査部長、09年日興コーディアル証券国際市場分析共同部長、11年SMBC日興証券金融市場調査部長、13年から現職。財務省・財政制度等審議会委員等、公職も歴任。