解説

企業不祥事197事例に見る情報伝達と監督の機能不全の構造

「情報が届かない」「届いても動かない」ガバナンスの実態分析

GBL研究所 理事/実践コーポレートガバナンス研究会 シニアフェロー /渡辺 樹一

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2015年の改正会社法の施行とコーポレートガバナンス・コード(CGコード)の制定から11年がたつ。しかし、企業不祥事の開示件数は増加傾向にあり、ガバナンスの仕組みを備えた企業でも、重大な不祥事が長期間見過ごされてきたケースが目立つ。その理由を探るべく、上場企業の直近13年間(13~25年)の調査報告書のうち、取締役会・監査役等の機能不全が問われた全197事例を分析した。問題の所在は、リスク情報が「届かない経路」と届いても「動かない監督」にあった。本稿では、その処方箋として不祥事の型を見分け、情報の経路を設計し直しつつ、取締役会を含めた情報伝達の健全化を図ることを提案したい。

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わたなべ じゅいち
一橋大学法学部卒。伊藤忠商事、ジャパン・ビジネス・アシュアランスなどを経て、16年から上場会社3社の社外取締役等を務める。現在、先端力学シミュレーション研究所監査役。米国公認会計士、公認不正検査士、公認内部監査人。