金融ISAC 事務局長 /坊野 良英
2019年を振り返ると、下期から不正送金の被害が拡大したり、マルウエア(悪意のあるプログラム)のEmotetがさまざまな企業で流行したりと、金融機関にも被害が及ぶサイバー攻撃が多数観測された。本稿では、足元のサイバー攻撃の潮流を解説しつつ、来年に延期された東京五輪関連のリスクをどのように考え、どのような対策を講じていくべきなのかを考察したい。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが推進されるなか、テレワークの実施に伴うサイバー攻撃リスクについても考えてみたい。
ぼうの よしひで
大手小売業を経て、大手生命保険会社CSIRTチームに所属。社内のサイバーセキュリティー態勢強化の企画等を行いながら、金融ISACでのワーキンググループの座長として、主にサイバー演習の企画・立案・運営を行い、17年から現職。
掲載号 /週刊金融財政事情 2020年4月6日号