解説

ESGの観点から見たサウジアラムコのIPO

市場規律に服さない「石油の世紀」終焉の序章

首都大学東京大学院 経営学研究科 経営学専攻 教授 /松田 千恵子

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サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコの上場は、世界の株式市場にとって昨年最大のイベントの一つだった。しかし、華々しい舞台の裏では、石油事業の将来やサウジアラビアの現状、企業統治のありようなどについて厳しい声も上がった。本稿では、環境・社会・ガバナンスを重視したESG投資の観点から、あらためてこの上場を振り返ってみたい。

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まつだ ちえこ
日本長期信用銀行にて国際審査、海外営業等を担当後、ムーディーズ・ジャパン格付けアナリストを経て、コーポレイトディレクション、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトンでパートナーを務める。著書『ファイナンスの理論と実務』(金融財政事情研究会)など多数。東京外国語大学外国語学部卒、仏国立ポンゼ・ショセ国際経営大学院経営学修士、筑波大学大学院企業科学専攻博士課程修了。博士(経営学)。