緊急特集「円安」が鳴らす警鐘

円安の深層──日本経済が直面している真実

日本が典型的な新興国パターンに陥った可能性も

BNPパリバ証券 経済調査本部長・チーフエコノミスト /河野 龍太郎

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円安が止まらない。背景の一つには、大きな内外金利差がある。先進各国の中央銀行が大幅な利上げを続けるなか、日本は異次元緩和を維持し、長期金利をゼロに抑え込んでいる。ただ、現在の円安は、従来の金利差と為替レートの関係性からは説明できない水準まで進んでいるようにも見える。為替レートは系列相関が強い。もし円安バブルなら、いずれ大きな調整が訪れる。だが筆者は、大きな構造変化が生じ、為替の均衡レートが円安方向にジャンプした可能性があると考えている。そこに内外金利差の急拡大が加わったから、急激な円安が進んでいるのではないか。

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こうの りゅうたろう
87年横浜国立大学経済学部卒。住友銀行、大和投資顧問、第一生命経済研究所を経て、00年からBNPパリバ証券。近著に『成長の臨界』(慶應義塾大学出版界)。