特集再び訪れた分断の世界経済

米主導のIPEFが中国の脅威に対峙できるかは不透明

新たな経済枠組みの中で注目される米国のかじ取り

国際貿易投資研究所 研究主幹 /高橋 俊樹

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米国は、新型コロナウイルスの感染拡大や米中対立の激化を契機に、サプライチェーン戦略を大きく転換した。その方針は、経済安全保障を目的として価値観を共有する同盟国・友好国などに限定したサプライチェーンの形成を目指すものだ。この考え方は「フレンド・ショアリング」(friend-shoring)と呼ばれる。米国主導で発足した「インド太平洋経済枠組み」(IPEF=Indo-Pacific Economic Framework)は、そのアプローチの一つとして位置付けられる。本稿では、IPEFがインド太平洋地域における中国の経済的な脅威を抑え込む枠組みになり得るのかを検証する。

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たかはし としき
76年日本貿易振興会入会。ジェトロ・ニューヨークセンターやジェトロ・トロントセンターに勤務。国際経済研究課長、上席主任調査研究員、海外調査部長などを歴任。11年から現職。その後、ジェトロ客員研究員、中央大学や東洋大学で非常勤講師を務めた。専門は国際貿易投資、米国経済。著書に『NAFTAを読む』(共著、日本貿易振興会、93年)、『日本企業のアジアFTA活用戦略』(編著、文眞堂、16年)、『RCEPと東アジア』(共著、文眞堂、22年)など。