特集円安のジレンマ

円安は日本にとって何のメリットもない

〈インタビュー〉「悪い円安」は、日本企業が円安頼みで経営を続けてきたツケ

慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 准教授 /小幡 績

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5月に入り約20年ぶりに130円台をつけたドル円相場は、輸入に頼るエネルギーや食糧などの価格上昇を通じて、家計にもマイナスの影響を与えつつある。これまで多くの日本企業が、価格競争で優位に立てる「円安頼み」の経営を展開してきたが、慶應義塾大学大学院の小幡績准教授は「円安頼みの経営が日本企業を弱体化させた」と説く。そして、円安の背景にある日銀の異次元緩和を正常な緩和水準に戻すことで、異常な円安はある程度解消されるとの見解を示す。(編集部)

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おばた せき
92年東京大学経済学部卒、大蔵省(現財務省)入省。01年ハーバード大学Ph.D.(経済学)取得、同年一橋大学経済研究所専任講師。03年から現職。