解説

頓挫した「ディエム計画」が残した歴史的意義

2年半にわたる議論が各国CBDCの発行を後押し

野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /木内 登英

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旧フェイスブック(現メタ)が主導したデジタル通貨「リブラ」の発行構想は、通貨の名称変更などを含め2年半にわたる議論を行った末、頓挫した。マネー・ローンダリングの恐れなどを強く警戒する世界の金融当局の牽制に屈したのである。しかしこの計画は、金融包摂の観点から現在の決済サービスが抱える課題を浮き彫りにし、民間金融機関により利便性の高い金融サービスの提供を促すきっかけとなった。各国の中銀デジタル通貨(CBDC)の発行・検討を後押しすることにもなり、意義は小さくなかったと評価できる。

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きうち たかひで
早稲田大学政治経済学部卒業。87年野村総合研究所入社。90年同研究所ドイツ、96年同研究所米国にそれぞれ勤務。07年野村証券金融経済研究所、経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年日本銀行の政策委員会審議委員に就任し、金融政策その他の業務を5年間担った。17年7月から現職。著書に『決定版 リブラ』『決定版 デジタル人民元』など。