解説

「補助金依存」を防ぐためには経理・財務のデジタル化を

ずさんな納税申告を減らせば記帳水準の向上にも資する

慶應義塾大学 経済学部 教授 /土居 丈朗

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財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は2021年12月3日、「令和4年度予算の編成等に関する建議」を取りまとめ、一部の補助金において「補助金依存」が起き、適正な市場競争の阻害が懸念されると指摘している。補助金の適正な活用に当たっては、支給後の効果検証と事業者の経営実態把握が不可欠である。そのためには、中小企業の経理・財務のデジタル化と、それに伴う納税申告における記帳水準の向上がカギとなると筆者は考える。

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どい たけろう
93年大阪大学経済学部卒。99年東京大学で経済学博士号取得。慶應義塾大学准教授等を経て09年4月から現職。税制調査会、社会保障制度改革推進会議、財政制度等審議会、産業構造審議会等で委員を兼務。著書は『地方債改革の経済学』(日経・経済図書文化賞、サントリー学芸賞同時受賞)、『平成の経済政策はどう決められたか』(中央公論新社、最新刊)等多数。専門分野は財政学。