解説

ステーブルコインは決済サービスの改善につながるか

分散型金融では、自律性の高さ故に規制が及びにくい特徴も

日本銀行 決済機構局 FinTechセンター /北條 真史

日本銀行 決済機構局 FinTechセンター 企画役 /鳩貝 淳一郎

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フェイスブックなどが計画する「ステーブルコイン」であるディエム(旧リブラ)は、新たな決済手段としての期待を集めるとともに、規制の議論を活発化させている。一方、暗号資産市場では、すでに別種のステーブルコインが相当量発行され、自律的な金融サービス「分散型金融」での取引に用いられている。暗号資産市場の中で運用を完結できるステーブルコインは、昨今の分散型金融の隆盛を支えている。本稿では、分散型金融の仕組みや発展の状況を概観しつつステーブルコインの多様性に触れ、決済サービスにおける役割と課題について考察する。

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ほうじょう まさし
16年東京工業大学修士課程修了、NTTデータ入社。分散型台帳技術、ブロックチェーンの研究開発を3年間にわたり推進。19年から日本銀行決済機構局に所属し、分散型台帳技術に関する欧州中銀との共同調査であるプロジェクト・ステラや、暗号資産・分散型金融の調査等を実施。計算機科学やシステムエンジニアリングを専門とする。

はとがい じゅんいちろう
02年日本銀行入行。20年から現職。東京大学大学院経済学研究科・CARF特任研究員。