特集膨張する中国、高まる脅威

GDPで米国を抜く中国は「韜光養晦」に回帰する

「内政干渉」への反発リスクは残るが、米国との対決姿勢は緩和に向かう

日本総合研究所 上席主任研究員 /三浦 有史

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英シンクタンクの経済ビジネスリサーチセンターは昨年末、中国の国内総生産(GDP)が2028年までに米国を追い抜くとの予測を発表した。国際通貨基金(IMF)の最新の見通しでも、中国のGDPは26年に米国の9割近い水準に達する。米中のGDP逆転はもはや時間の問題である。ただし、筆者はGDPの逆転によって、中国は「韜光養晦」に回帰するとみる。途上国に対する中国の求心力には陰りが見え始めており、米国との対立が激化する可能性は低いと考える。

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みうら ゆうじ
89年早稲田大学卒。ジェトロ(旧日本貿易振興会)などを経て、01年日本総合研究所調査部。専門は開発経済、移行経済。著書に「ODA─日本に何ができるか」(中公新書、渡辺利夫氏との共著)、「不安定化する中国─成長の持続性を揺るがす格差の構図」(東洋経済新報社、第6回樫山純三賞)など。