特集「経済安全保障」と日本の針路

拙速な対応が目立つ中国勢力圏拡大への日本の対抗策

判断を誤れば日本の国益を大きく損なう恐れ

野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /木内 登英

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コロナ禍からいち早く脱した中国は、マスク外交、ワクチン外交、デジタル人民元の実証実験などさまざまな施策に打って出た。中国の勢力拡大に危機感を抱いた日本政府は、製造業の国内回帰への補助金、改正外為法施行、日銀のデジタル通貨発行検討など、対抗策を次々と実施・検討している。しかし、いずれも副作用が目立つ、ないしは効果が疑問視される施策ばかりだ。真の国益に資する経済安全保障上の施策を議論するべきだ。

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きうち たかひで
早稲田大学政治経済学部卒業。87年野村総合研究所入社。90年同研究所ドイツ、96年同研究所米国にそれぞれ勤務。07年野村証券金融経済研究所、経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年日本銀行の政策委員会審議委員に就任し、金融政策その他の業務を5年間担った。17年7月から現職。最新著書に『決定版 リブラ』。