特集米国は沈むか

悪材料は織り込まれ、経済再開が米市場のテーマに

ワクチン関連ニュースや内外感染者数の好転に敏感

米国みずほ証券 マネージングディレクター USマクロストラテジスト /石原 哲夫

  • facebook
  • twitter
  • LINE
  • 印刷

米国では人々が外出禁止、飲食店等は休業を余儀なくされ、4~6月期のGDPは「良くてマイナス30%」との見方が出ている。原油価格急落も重なり、株式・債券市場では換金売りを強いられた。こうしたなか、米連邦準備制度理事会(FRB)は無制限の量的緩和策やCP、社債を買い入れる流動性供給策を開始し、米国政府も経済対策で大企業、中小企業の救済策を矢継ぎ早に打ち出している。これにより換金売りは収まりつつあり、すでに悪材料も相当程度織り込まれたことから、市場はワクチン、検査、治療薬の開発ニュースや、国内外の感染者数、入院者数、致死率の好転に敏感だ。注目点は経済活動の再開時期にシフトしつつあり、この時期の見通しが立てば市場心理の回復は早まるだろう。

本記事をお読みいただくには
会員登録と購入が必要です。
月額会員の方はログインすると、
続きをお読みいただけます。

まだ登録されていないお客様

パスワードを忘れた方はこちら

いしはら てつお
91年国際基督教大学教養学部社会科学科卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン興銀、興銀証券、みずほ証券を経て現職。米国公認会計士。クレジット分析と社債ストラテジストの経験、25年以上の米英滞在経験、30カ国以上の渡航経験を生かし、米市場のマクロ・センチメント・政治・フローの動向を分析。