解説

新型肺炎の経済的影響を読み解く

影響が1年間続けば、日本のGDPを0.45%押し下げる可能性も

野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /木内 登英

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中国を中心とする新型肺炎の拡大は、2003年に猛威を振るったSARSの時と比べ、より深刻な打撃を世界経済に与える。世界経済に占める中国経済の規模が、この間に4倍にも拡大したためだ。日本では、訪日中国人観光客数が同期間に21倍にも増加したことから、インバウンド需要の落ち込みを通じ、経済への影響が広がりやすい。SARS発生時と同程度の訪日観光客数の落ち込みがある場合、日本のGDPは0.14%低下する計算だ。

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きうち たかひで
早稲田大学政治経済学部卒業。87年野村総合研究所入社。90年同研究所ドイツ、96年同研究所アメリカにそれぞれ勤務。07年野村証券金融経済研究所、経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年日本銀行の政策委員会審議委員に就任し、金融政策その他の業務を5年間担った。17年7月から現職。最新著書に『決定版 リブラ』。