解説

黒田日銀総裁の2期目に求められるもの

有効な追加緩和手段は残されておらず、迅速な正常化の進展が望まれる

野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト /木内 登英

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2%の物価目標を達成できなかった黒田東彦日本銀行総裁を再任することは、もはや政府が目標の早期達成を本音では重視していないことの表れとも解釈できる。黒田総裁再任が実現すれば、日本銀行が金融政策の正常化を進めていくことをより容易にするのではないか。正常化の過程で進む円高を政府は警戒するだろうが、正常化を遅らせれば円高進行よりも格段に大きなリスクが先行き高まるという点を、日本銀行は政府にしっかりと説明してほしい。

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きうち たかひで
早稲田大学政治経済学部卒。87年に野村総合研究所に入社後、ドイツ、米国での勤務を経験。07年に野村証券金融経済研究所・経済調査部長兼チーフエコノミスト。12年に日本銀行の政策委員会審議委員に就任し、金融政策その他の業務を5年間担った。