一橋大学 名誉教授 /野口 悠紀雄
「GAFA」や「BAT」など新しいタイプの情報産業が成長している。ビッグデータを利用し、プロファイリングによるターゲット広告で収益を上げたり、AIの機械学習に用いたりするこれら企業群のROAは非常に高い。他方、日本には伝統的な情報産業はあるが、新しいタイプのものは育っていない。経済面から言えば、平成は、日本が世界の変化から取り残された30年だったと言わざるをえない。令和で日本が生き残るためには、データを資本としてとらえ、情報産業が発展する条件を整備することが必要だ。
のぐち ゆきお
63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、17年9月から早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。
掲載号 /週刊金融財政事情 2019年4月29日号