解説

相続分の無償譲渡で、二次相続時に遺留分請求の可能性

相続分の譲渡と遺留分に関する最高裁判決についての一考察

弁護士法人北星法律事務所 弁護士 /中田 朋子

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本稿で取り上げる事案は、父死亡時の遺産分割の際、母が相続分を特定の子に無償譲渡したため、母死亡時に母から遺産を相続できなかった他の子が(相続分を譲り受けた子に対して)遺留分を請求したというもの。最高裁は2018年10月19日に、相続分の無償譲渡は民法903条1項の「贈与」に当たるとの初めての判断を示し、遺留分の請求を認めた。今後は、世話してくれた子に対してより多く遺産を承継させるには、相続分の譲渡以外の方法も検討する必要がありそうだ。

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なかだ ともこ
弁護士・ニューヨーク州弁護士。相続・国際相続を専門とする。金融機関の相続業務・遺言信託業務を約15年間アドバイスしてきた経験から、遺言執行の行き詰った事案の解決や、将来の遺言執行を見据えた遺言作成を得意とする。外国人の遺言作成・日本人の海外財産の相続手続きなども手掛ける。