解説

均衡実質金利の低下に対応した金融政策の方向性

リスク管理アプローチこそ現実的な選択肢

日本銀行 金融研究所長 /白塚 重典

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高齢化と生産年齢人口減少は、一般的に均衡実質金利を下押しすると考えられている。均衡実質金利の低下により政策金利の引下げ余地が小さくなると、名目金利の実効下限制約に抵触する可能性が高まり、中銀の政策枠組みの再構築が求められる。その際、大規模なショックの源泉となりうる実体経済、金融両面での不均衡を極力抑止していく必要があり、そのために景気循環を超えた中長期的な観点で物価安定を評価していくことが重要だ。

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しらつか しげのり
87年慶應義塾大学卒、日本銀行入行。金融機構局参事役、金融研究所経済ファイナンス研究課長、松山支店長、金沢支店長、企画局審議役などを経て、16年6月から現職。00年慶應義塾大学経済学博士。