解説

地域金融の競争限界線はここにある──未来投資会議への提言

地域金融の競争が成り立つには最低でも90万人近い生産年齢人口が必要

ルートエフ 代表 /大庫 直樹

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政府の未来投資会議で地方施策の検討が始まった。地方施策で議論されるテーマには、地域金融が含まれている。私は以前、人口減少下での地域金融のあり方を探る中で、競争不能地域や事業継続不能地域の存在を県ごとのマクロ係数から論証していった。そのアプローチは県ごとの顧客特性や倒産状況、個別銀行の経営姿勢・経営能力を反映させたものであった。そうした検討から1年近い時間が過ぎたなか、県ごとのデータの代わりに全国マクロの平均値を用いることで、競争不能地域や事業継続不能地域の、より普遍的な境界条件を見出せることに気付いた。地域金融の競争限界線はここにある。

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おおご なおき
85年東京大学理学部数学科卒、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。99年パートナーに選出され、東京オフィスのリテール・バンキングのリーダー。05年GEコンシューマー・ファイナンスの執行役員、事業開発(M&A)の責任者に。08年に独立してルートエフを設立。