解説

統計の信頼回復に民間の力を

デジタルデータの有効活用は、企業の統計報告者負担を軽減する

東京大学大学院 経済学研究科 教授 /渡辺 努

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厚生労働省の毎月勤労統計で不適切な調査が起きた背景には、デジタルデータを省庁に直接渡せないことによる企業の統計報告者負担の重さがある。統計作成をスイスの消費者物価統計のようにデジタル化することで企業側の作業負担が減り、統計作成に要する人件費も節約できる。社会のデジタル化が進む現在、政府より民間に統計作成のアドバンテージがあり、今回の不正は、民間の持つデジタルデータとノウハウを有効に活用するという視点の重要性を示唆している。

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わたなべ つとむ
82年東京大学経済学部卒、日本銀行入行。92年ハーバード大学Ph.D.。11年から現職。