解説

デリバティブ証拠金規制にいかに向き合うべきか

2020年9月の〝フェーズ5〞を乗りきるには一括清算法の改正を

デリバティブ法務研究家(金融法学会会員) /植木 雅広

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店頭デリバティブ取引の当初証拠金(IM)規制の最後の山場であるフェーズ5。この局面に入ると、本邦の準大手以下の金融機関のうち、約30社が同規制の適用を新たに受けることになる。IMの授受は国内信託銀行またはグローバル・カストディアンが行うことになるが、当該事務を請け負う国内信託銀行は事実上2行しか存在しておらず、その処理容量に限界がある。一方、海外のカストディアンは会社更生法との矛盾により、担保の即時実行ができないという問題を抱えている。このような苦境を打開し、フェーズ5を無事に乗り切るには、もはや一括清算法の改正しか道はない。

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うえき まさひろ
86年東京大学法学部卒、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。00年三和銀行(現三菱UFJ銀行)入行。08年みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)入行。90年より28年間、デリバティブ法務を担当。金融法学会会員。著書多数。