解説

通貨戦争へと戦線拡大、新局面を迎えた米中対立

1ドル=7.3元で関税効果相殺も、中国が抱える資本逃避リスク

一橋大学 名誉教授 /野口 悠紀雄

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米中貿易戦争は、米国による対中追加関税第4弾で新たな局面を迎えた。中国の人民元安容認と米国による為替操作国指定で、通貨戦争の様相をも呈してきた。世界の金融市場は、動揺している。円高が進めば、日本も直接の影響を受けることは避けられない。

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のぐち ゆきお
63年東京大学工学部卒。64年大蔵省(現財務省)入省。72年イェール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、17年9月から早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問。一橋大学名誉教授。